コラム
2021.11.18

「テキトー テキトー アリガトー」

 私の母は料理上手だ。パパっと手際よく冷蔵庫にあるもので大抵のものは作ってしまう。そしていつも美味しい。そんな母に甘えてほとんど料理をしてこなかった私は、「得意料理は?」の質問に「納豆ご飯」と答えたくなるほど料理が苦手だった。

 しかし、結婚し、子どもが生まれてからはそんなことを言ってはいられない。子どもにはバランスよく何でも食べてもらいたいし、「お母さんのご飯おいしい」と言ってもらいたい!そこで料理の腕を磨くべく、遠くに住む母に電話で指導を乞うこともしばしば。肉じゃが、かき揚げ、酢豚等々、私の好きな母の手料理のレシピを尋ねると、返ってくるのはいつも、

 母「最初に砂糖を2杯くらい、酒をちょろっと、最後に醤油をぐるっと。」

 私「…。」

 ザ・テキトー!な答え。

 「おーいっ!」とツッコミを入れながらも、教えてもらった通りテキトーに調味料を加え、料理をすること約10年。いつの間にかテキトーに料理が作れるようになり、そんなテキトー料理を家に遊びに来てくれた夫の同僚の皆さんが「奥さん料理上手ですね」なんて褒めてくれるようになるから、あら不思議。続ければ、“テキトー”も“適当”になってくるもんです。

 でも前述した「適切且つ妥当」という本来の意味での“適当“にはまだまだ遠いのが、夫のテキトーな家事。

 洗濯物をたたむと、敢えて裏返しにして干した子どものズボンを裏返しのままたたみ、取り込んだ順にたたんで重ねていくから、家族全員の洗濯物が混在し、子どもたちもしまうにしまえない...結局一部私がたたみ直し、整頓する。

 食器を洗うと、水切りかごの中で乾いた食器の上に洗った食器を重ね、お皿の表部分だけを洗って裏側には洗い残しもしばしば...結局私が洗い直す。

 「テキトーすぎでしょ!!」と愚痴がこぼれそうになるものの、ほんの数年前までは、我が家の夫は何もしないことがネタになるほど家事も育児もしない人だった。ぜひ2019.11.08掲載「そのうちネタにすればいいじゃない!」を読み返して頂きたい(笑)そんな夫が、4人目の誕生を機に、いや、4人目誕生にしてようやくごくたまにでも家事を手伝ってくれるようになったのだから、我が家にとっては大きな一歩だ。夫はまだまだ始めたばかり。

 私のテキトー料理だって、約10年の時を経てだんだん適当になってきた。自分のテキトーにはテキトーに目をつむるのに、夫のテキトーにはいちいち口を出したくなってしまう。

 本当は最もテキトーであるべきは、妻の“夫の家事の見守り方”なのではないだろうか。テキトーでも何でもまずはやってみてくれたのだから感謝を伝えよう。このまま続けてくれることで夫のテキトーもいつか適当になるかもしれない。

 だから今日も夫のテキトーな家事をテキトーに見守りながら、日々の一歩一歩に感謝する。

 合言葉は「テキトー テキトー アリガトー」これでいきましょ(笑)

ライター
原田 笑
原田 笑

原田 笑(はらだ えみ)
・フリーアナウンサー、セミナー講師
・島根県益田市在住
・9歳、7歳、5歳、1歳の4人の子育て真っ最中

愛媛県出身。大学卒業後、TSKさんいん中央テレビへの入社を機に島根県にIターン。アナウンサーとして、ニュース番組のメインキャスター、地域情報番組のリポーターを務める傍ら、フィールドキャスター・ディレクターとして、ニュース・番組の取材、編集などに当たる。

第2子出産を機にフリーに転身。山陰両県を中心にリポーター、ナレーション、司会などを務める。また心理学、脳科学、コミュニケーションについて学び、県内外の企業や学校などで「話し方」講座を行うなど、セミナー講師としても活動中。

2017年4月からは、夫の実家がある島根県益田市に嫁ターン。2021年6月から「TSK news イット!」のキャスターを担当。4人の子どもたちと田舎暮らしを満喫しながら、夫の両親の手助けに感謝しつつ、仕事に勤しむ日々。大好きなパンと和菓子のお店巡りが休日の楽しみのひとつ。

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