コラム
2020.11.19

「面倒」の中にきっかけがある!

 家事の中でも特に洗濯物をたたむのが嫌いだった。面倒くさいし、すぐにたたまないとシワになるし、時間がかかるし、場所を取る。

 仕事を終え、保育園に子どもたちを迎えに行き、家に着くと急いで洗濯物を1枚ずつ取り込み、とりあえず畳の上に放置して、「お腹が空いた」と騒ぐ子どもたちをなだめながら夕食を作り、そこから寝かしつけるまではノンストップ。ようやく落ち着いた頃に、リビングにそびえるのは洗濯物の山...。思わずため息が出る。

 その横でテレビを見ている夫の姿が目に入ろうものなら、沸々と怒りさえ湧いてくる。「そこにある洗濯物が見えないんですかー?テレビ見る時間があるんだったら洗濯物たたんでー、せめて自分の分だけでもたたんでー」と。他にも、家事に時間がかかったり、思うように進まなかったりすると、大抵苛立ちの矛先が向くのは夫だ。

 でも今は違う。引越しを機に家具の配置を見直したことで洗濯物をたたむことが苦にならなくなったのだ。脱衣所には、部屋干しができるように竿を渡し、これまで各自の部屋にしまっていたお風呂上りに使うパジャマや下着をまとめて1つのタンスにしまえるよう専用のタンスを置いた。すると...なんということでしょう?帰宅後洗濯物をハンガーごと取り込み、そのまま吊るしておけるから、時間が経ってもシワになる心配はないし、そのまま洗濯機を台代わりにすれば、立ったままたたみ、たたんだ傍からタンスにしまえる。なんてスムーズな動線!これまでよりぐっとそこにかける時間が短縮できるようになった。そうすると、ささっと取り掛かる気にもなるし、むしろ短時間でやり切った達成感さえ味わえる。

 そこでふと思う、今まで夫に向けていた怒りは何だったのだろうと。単純に環境が整っていないが故の面倒くささや、ストレスを夫への怒りに転嫁していただけだったのではないのかと。

 引越しのようなきっかけで大掛かりな移動をしなくても、「自分が飲んだビールの缶くらい自分で捨ててよー!」と苛立ちながらすすいで捨てていた流し台に放置される空き缶も、缶専用のごみ箱を流し台の横に置いたら、夫が自分で捨てるようになったし、食事の度にいちいち取りに行き用意するのが面倒だった子ども用の手や口を拭くためのタオルも、タオル用の棚ではなく、食事をしながらすぐ手が伸ばせるキッチンの引き出しにしまうことにしたら、食事の前に子どもが自分で準備するようになった。

 そんな風に変わっていくと、どうして今までそうしなかったのかと自分にツッコミを入れたくなる。ちょっとしたことで改善できることも多いのに、普段の行動やルーティンに疑問を持つことなく過ごしているせいでそのことに気づいていなかったと。自分が面倒だと思うことは、夫も子どもたちも面倒がる。まずは環境を見直し、取り掛かりやすい工夫をすることが、家事の負担を減らすことにもなるし、シェアがスムーズにいく第一歩になるのかもしれない。そして無駄に夫に苛立つことを防ぐことにも(笑)

ライター
原田 笑
原田 笑

原田 笑(はらだ えみ)
・フリーアナウンサー、セミナー講師
・島根県益田市在住
・8歳、6歳、4歳、0歳の4人の子育て真っ最中

愛媛県出身。大学卒業後、TSKさんいん中央テレビへの入社を機に島根県にIターン。アナウンサーとして、ニュース番組のメインキャスター、地域情報番組のリポーターを務める傍ら、フィールドキャスター・ディレクターとして、ニュース・番組の取材、編集などに当たる。

第2子出産を機に退社し、山陰両県を中心にリポーター、ナレーション、CM、司会などフリーアナウンサーとして活動開始。またフリーに転身後、心理学、脳科学、コミュニケーションについて学び、県内外の企業や学校などでアナウンサーとしてのキャリアもいかしてセミナーを行うなど、講師としても活動している。

2017年4月からは、夫の実家がある島根県益田市に嫁ターン。4人の子どもたちと田舎暮らしを満喫しながら、夫の両親の手助けに感謝しつつ、仕事に勤しむ日々。大好きなパンと和菓子のお店巡りが休日の楽しみのひとつ。

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