コラム
2020.01.06

みんなで支える育児

 子育てにおいて、親が自然体でありのままの自分で生きることができることが大切なのではないかと思います。ストレスがあると子どもから感じる親としての直感が鈍くなって、子育てにおける不安や自己喪失が起こりやすくなります。そして、産後すぐのお母さんは、睡眠不足・肉体疲労・人間関係からくるストレスフルな状態なうえ、育児への不安に陥りやすくなります。

 ふと思うのですが、お母さんが努力して変わることよりも、お母さんを取り巻く周りが変わってあげることが大切なのではないでしょうか。もちろん、お父さんも仕事などが大変でしょう。しかし、産後すぐのお母さんは、命がけで子どもを産み育てていて、肉体的にも精神的にも疲労困憊なんです。せめて産後の数か月でも、お母さんと子どもの周りがどう変わるかで、その後の子育ての環境の良し悪しを決めることになるのです。

 子育ての最中は、ふと自分の子ども時代のことが思い出されてしまいます。叱られたり、怒られたりした記憶がつぎからつぎへと思い出されます。乳幼児期に、きつく叱られたり怒られた思い出がある人は、その体験がつらかった人ほど思い出される“その記憶”によって苦しむことが多くなります。子どものぐずつきや泣き声に、自分の記憶が刺激されて自分が苦しくなり子どもにつらく厳しく当たってしまうことがあります。子育ては、己育てだともいいます。そう、子育ては、自分自身の子ども時代を見直す機会になってしまうのです。ふとした時に、自身の子供時代を思い返し、自信をなくしたり、親に愛されていたことを思い出しながら子育てを手探りしていくことになります。ですから、子育てというものは、お母さん一人の経験や価値観で行うにはリスクが高すぎるのです。

 しかし、世の中には、ワンオペ状態のお母さんも多くいるでしょう。子育ては、決して一人で孤独にするものではないのです。「おたがいさま」「大変ね」「がんばってるね」とねぎらい合って支えあっておこなう方が、お母さん自身の心にも子どもの心にもいいのです。お母さんを通して、周りの人とのやり取りの中で子どもの心が育つのです。

 孤独になりがちな子育ての初期を、旦那さんをはじめ周りの人が少しおせっかいなぐらいに優しく心を寄り添いお母さんが自然のままにいることができる環境を作ることが、その後の家族生活や人生を考えてみると大切ではないかなと自分の子育ての初期を思い出しながら思うのでした。私を親にしてくれた子も、今年17歳。孤独な子育て時代を過ごしましたが、今では私の講座でのネタにできるほどになりました。

ライター

しあわせなおかあさん塾 主宰 青山節美

プロフィール

1971年生まれ。宮崎県出身。松江市在住
2010年~ 学び舎aoyama+を設立
2011年  島根県親学ファシリテーター取得
2013年~2018年 島根県立東部社会教育研修センター勤務
2016年~ HUGでつながる 地域でつながる活動開始
(HUG=避難所運営ゲーム)
2017年~ しあわせなおかあさん塾開始
2018年~ 島根県総合教育審議会委員就任
2019年~ 島根県子育て応援講師(こっころ講師)登録
2019年8月25日付 山陰中央新報社「りびえ~る」「こんなとき子どもにどう声かける?教えて!青山せんせい!」掲載


学習塾のかたわら、島根県教育委員会で5年間働き、親学ファシリテーターとして島根県内で子育てに関するワークショップを開催。
その後、母cafe・子育てcafeとお母さんたちが自由に話をする場を作り、約4000人以上のお母さんたちに出会い、参加者からの“子育てのコツを教えてほしい”という声に応え、“子どものやる気スイッチ押し方講座”を始める。

さらに継続して学びたいという声が上がり、自身の子育て経験もふまえて、「親が変われば子どもの未来は変わる」を理念に、2018年【未来へつながる しあわせなおかあさん塾】をスタート。

『2歳のお誕生日会』・『小学校入学までにできるようになっておきたい10のこと』・『10歳~18歳のミニ大人のトリセツ講座』など、発達心理学や脳科学の視点を用いた各種講座を全国で開催、これまでに200人以上が講座参加、現在70人の本講座受講生が学んでいる。

参加者の多くが「もっと早く話を聴きたかった」「無駄に怒ることが減った」「子どもの困った行動を理解することができた」など、自身の考え方の変化と子どもの自己肯定感アップを実感している。

「未来を担う子どもたちのために、少しでも希望のもてる、そういう世界を残したい。そういう未来を 創る子どもたちに育てたい」との思いで活動している。

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