コラム
2020.11.19

おもろいの優先

 「それ、面白いか。楽しいか。ワクワクするか。つまり幸せか。」

 寝ている時間以外はそれを基準に生きることにしよう。最近こんなふうに思うようになった。人はみんな幸せを求めるもののはず。なのにいつの間にかストレスに耐えることが当たり前になったり、楽しくなくてもなんとなくやる事にしたり、心が上向きに動くことを選ばない事に違和感を持たなくなってきているような気がして、ふとこの先の人生を考えたのだ。夫は会話の受け答えに正解よりも“おもろいの”を求めてくる時があり、内心「また大阪人が言うとるわ」くらいにしか思っていなかったが(大阪弁の寄生力よ)、案外大事なセンスなのかもと思いはじめた。

 タレントとして山陰で仕事をさせていただいているが、今年の春にはフリーランスを卒業して夫が立ち上げた一般社団法人に所属。タレント業に加えてメンタルヘルスケアの普及啓発に関するプロジェクトの企画や地域のあり方を考える事業など、活動の範囲は広がってきている。

 私の仕事は出勤するスタイルでないのもあり、オンとオフの境目は曖昧だ。商品をプライベートで使った感想をCMで話すこともあれば、ママ同士で家事や育児の悩みについて話すのがテレビ局のスタジオであればそれが仕事だったりする。顔を知ってくださっている方が多く、地域の人々との距離感も近い山陰では、家から一歩出れば“奈羅尾玲子“として気を抜けない。そして法人に加入してからは、“事業に取り入れるか考えるため”と“ただ興味があったから”という二つの理由で畑を始めたり、ゲストに3歳の息子と遊んでもらいながらの食事会で真剣に企画を練ったりしている。

 タレントでなくても、コロナ禍で働き方の多様化が加速したので同じように仕事と生活が一体化してきた人も多いだろうし、これからもっと増えていくだろう。そして忘れてはならない、私の憧れの縄文人たちも、同じだったはずだ。というわけですべての時間が仕事≒生活と考える私は、それをまるっといい時間にしようと思うのだ。

 仕事時間が決まっていない分、タイムマネジメントの代わりにストレスマネジメントに気を使っている。仕事も生活もそれ自体が目的ではなく、全ては自分や家族が幸せで笑顔であるための手段。そこへのルートをどうセットするか。ストレスをコントロールすることがその土台となると考える。

 では具体的にどうするのか。キーワードは“今、ここ” そして息子の名前に託したその未来だ。(後編につづく)

ライター
奈羅尾 玲子
奈羅尾 玲子

鳥取県若桜町出身。特殊メイク・特殊造形を学ぶため高校卒業後に渡米。The Art Institute of Pittsburghで学士号を取得後、ピッツバーグを拠点に映画、舞台、ハロウィンなどの現場で経験を積む。帰国後、日本海テレビの情報番組「スパイス!!」でリポーターとして起用されたのをきっかけにタレントのキャリアをスタート。

現在はメインMCを務める「スパイス!!」をはじめ、CMや各種動画、イベントなどに出演しつつ、日英バイリンガルナレーターとして国内外に声を届けている。今年はアメリカのVoice Arts Awards 2023にノミネートされるなど活動の場をローカルにもグローバルにも広げている。

2014年に結婚、2017年と2020年に男の子を出産。目下の興味は、民俗学、文化人類学、縄文時代などを通してみる人間の普遍的な思考や信仰。畑は4年目。最新のDIYは二人目をお腹に抱えて作った自宅録音ブース。

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