コラム
2020.11.20

オンラインが連れてきた新しい働き方・暮らし方のかたち

 みなさん、こんにちは。中川玄洋(なかがわげんよう)と申します。

 鳥取市でNPO法人学生人材バンクを経営している二児の父です。生まれは静岡県なのですが、鳥取大学への進学をキッカケに鳥取へ来ました。そのまま学生起業して18年が経ちました。静岡での暮らしよりも鳥取での暮らしの方が長くなりました。

 昨年のこの時期には予測できてなかったことが起きていますね。僕は大学生のインターンシップや、都市部社会人の副業、移住など都市部から人を連れてくる仕事をしています。2月までは月に一度は東京に出張していましたし、県外へは週に数回は出ていました。それがこの9か月ほぼ動いていないです。

 オンラインを活用して仕事は進んでいます。オンラインインターンであったり、オンライン交流会、研修会です。打合せは県をまたいだ会議から、自社内のやり取りまでかなり幅広く使っています。鳥取市周辺では対面の打合せも増えてきましたが、米子市の事業者さんとの打合せはオンラインが原則になったりしています。オンラインが完全に選択肢の一つになりました。

 僕の生活で起きた大きな変化について書くと。妻が基本リモートワークになりました。これまでは通勤時間がかかる生活だったのですが、そこが一変。子供の送迎とかの役割分担が少し変わったりしています。週に何度か通勤していますが、家で仕事ができているのは大きな変化です。

 通勤が必要なのか、出張は何のためなのか、移動にかかるコストについて向き合う時間が増えています。1時間半通勤に使わず、朝、こどもに「いってらっしゃい」と言える時間を過ごすこと。週末に東京でイベントをやらず、開催時間が来たらタブレットからイベントのゲスト登壇する暮らしを経験しながら、技術を踏まえた新しい経験を積んでいます。

 この経験を企業は前向きに捉えて進むと良いと感じています。僕の組織は昨年から米子にも社員をおいているので、リモートワーク対応がスムーズにできました。もともと僕が動き回る仕事なので活用はしてましたが、よりツールをどう使うかを考えて動けるようになっていると感じています。各種SNSなど無料のものも多いので、導入コストはそこまでかかっていません。

 県内の企業もリモートワークを始めたりしていると思います。一部では対面を主にした方法に戻っているという話も聞きますが、個人的には一度経験してしまうと、戻るよりはハイブリットでの運営になっていくべきかと思います。大学生の近くにいる仕事をしていますので、彼らにとってはオンラインが当たり前になってきています。新しい世代はオンラインハイブリット型の人生を歩み始めています。僕らはパソコンがなかった時代から、あるのが当たり前の時代を通ってきています。同じように携帯電話、今ならスマホが当たり前になってきていますね。オンラインも同じように一時的な変化ではなく、基本的なものになると感じています。若い世代からすれば、やらない理由がないわけです。もちろん、業種や職種でオンライン対応ができないものがあるのは理解したうえで書いています。県内企業には一歩踏み込んで活用して欲しいと思います。働く人たちにも、新しい暮らし方を体感してもらいながら一緒に考えた方が結果的に良いかなと思いますし、採用戦略にも繋がってくると思います。

 これは、家族にとってもチャンスだと思います。仕事にかかる時間と家族の時間のハイブリットが可能になりますし、効率化もできると思います。うちは夏休みに、妹の子と、うちの子、そして実家(静岡)の父母でzoomを使ってオンラインラジオ体操をやってみたりしました。移動はできないけど、時間は共有できました。学校ではPTA研修のオンライン配信に挑んでみたり、執行部会をオンラインで行うことで、家をあけなくても参加できていたり、移動時間を削減できたりしています。僕は極端な方ではありますが、家族との時間の過ごし方の新しい形も感じられています。

 オンラインだけでもある程度まで関係性を深めることができそうだと、この半年で感じています。だからこそ、直接会うとか、移動するとか。時間を誰とどこで使うのかについて、今まで以上に考えるようなタイミングになってきたと感じています。

 一緒にいる時間を、どう過ごすか。オンラインがあると並行対応が可能だったりします。でもあえて、子供や家族と向き合う時間にするとか。対面を大事にするとか。そういう時間の使い方の取捨選択が増えそうな気もしています。結果的には方法論なので、自分が誰とどうありたいかを意識してくらすのがポイントになりそうです。

 落ち着いたら、遠出もしたいなと思っています。会わない、会えないからこそ感じる、対面の大事さも感じていますし、そこから見えるものが増えると思っています。こればかりは世の中の状況次第かなと思っています。今回は、半年を振り返って書いてみました。次回はもう少し身近なことを書きたいなと思います。

子育てや仕事のことはnoteに書いています。
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ライター

中川玄洋(なかがわげんよう)
1979年静岡県沼津市出身。
鳥取大学への進学をキッカケに鳥取県へ。大学在学中に“学生人材バンク”を起業し現在に至る。

農村地域へのボランティアから中小企業へのインターンシップ等幅広い分野で大学生と地域との接点づくりを行なっている。近年では、“地域おこし協力隊”の後方支援の仕事も金融機関と連携して行なう。大学生が実施するプロジェクト「農村16きっぷ」は2018年の全国農林業大学生アワードにて農林水産大臣賞を受賞するなど、地方での若者支援をテーマにした県外への講演機会も多い。
第二子が生まれた2012年には1か月の育児休暇を取得した。

内閣府地域活性化伝道師

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