時差出勤やリモートワークなどの柔軟なワークスタイル、休暇制度の拡充、人事制度の刷新など「働く人の幸せ」を軸に据えた改革を進め、多様な人材が活躍できる職場づくりに努める。
　改革に着手したのは2015年。事業拡大や顧客ニーズの多様化に伴い業務負担が増す中、長時間労働を解消し、従業員満足度を高めようと「ワークライフバランス宣言」を発表し、会社全体で取り組んだ。
　勤怠管理の電子化で勤務実態を明確化し、業務内容に応じた時差出勤などで残業を抑制、年間休日に加えアニバーサリー休暇などの特別休暇を増やした。同時に外部人材も活用し、業務の効率化を推進。人事制度には客観的な評価基準や職能コース選択制度を取り入れた。
　働きやすい職場づくりは、女性活躍も後押しした。労働環境の改善によって、かつては男性職場だった配送や荷役などの現場で働く女性が増えたほか、管理職への登用も進む。無意識の思い込みをなくすためのアンコンシャスバイアス研修も行っている。
　グループ全体の長期ビジョンとして「幸せをめぐらせよう。」を掲げ、働く人と地域社会がともに幸せになることで、持続的な発展を目指す。畠山広幸専務は「企業は多様な人材で成り立っており、幸せも一人一人異なる。全ての社員が尊重され、『心の給料』をもらえていることを実感できる企業でありたい」と力を込める。