担当業務をローテーションで変える多能工化は働きやすさに大きな影響を与えている。
鳥取県金属熱処理協業組合
「多能工化」で働きやすさ実現
技術が問われる金属熱処理の業界にあって、全国の800を超える顧客から支持されている。「他に負けない得意の技術力を発揮するには人の力が欠かせない」と、働きやすく、やりがいのある職場づくりに長年取り組んできた。
経営理念に「職員とその家族の幸福」をうたい、ワークライフバランスの定着を目指している。看護・介護休暇を時間単位で取得できるようにするなど、休暇制度を整備した。
全員が参加する「フリーミーティング」を毎週1回開催。2018年のミーティングでは、全員の前で「イクボス・ファミボス宣言」をし、労働環境に配慮することをあらためて明確にした。
休暇制度を利用しやすい風土があり、有給休暇取得率は9割にのぼる。担当業務をローテーションで変える「多能工化」の取り組みが、働きやすさの実現に大きく貢献している。従業員が複数の業務に精通することで、誰かが休んでも補完しやすくなった。従業員の技術にも磨きがかかり、経営体質の強化にもつながった。
馬田秀文専務理事は「いい仕事ができる前提条件は家庭や普段の生活の充実。『仕事に行くのが楽しみ、家に帰るのも楽しみ』と感じられるよう、全員が一つになって、より良い職場環境と優れた技術を追求していきたい」と話している。
(令和2年2月時点)