「人材確保のためにはシニアと女性の就業を支援することが大事」と話す福坂康司所長。同社のタクシードライバーの平均年齢は６０歳で、定年後も本人が望めば、給与水準はそのままに雇用を延長できる。６５歳以上の新規採用にも積極的で、６７歳までは二種免許取得費用の全額を会社が負担している。
　日勤や夜勤、隙間時間を利用した勤務など、多様な勤務体系で自分らしい働き方ができるように支援。個人の事情に合わせて、ドライバーから事務職などへの配置換えにも柔軟に対応している。
　子育て世代のために、育児のための短時間勤務や所定外労働の免除の対象を、小学校就学前まで延長（法定３歳まで）。企業主導型保育園と提携し、従業員の子どもが優先的に入園できるようにした。
　女性社員は現在９人だが、全ドライバーをまとめるリーダー６人のうち半数は女性が占めるなど、キャリアアップも積極的にサポート。年１回、鳥取、島根両県の営業所の女性が一堂に集まり、「女子会」を開く。その意見交換から、女子トイレや更衣室の整備につながった。
　今年は対象を男性従業員や一般求職者にも広げ、育児や介護をしながら自分らしく働くヒントを学ぶ会を３月に米子市内で開く予定だ。福坂所長は「これからも働きがいを見いだしてもらえるような取り組みをしていきたい」と話している。