仕事と家庭を両立し、全従業員が働きやすい職場を実現しようと、2017年にイクボス・ファミボス宣言をした。従業員による意見をボトムアップする環境を整え、有休を取りやすい職場風土もつくり、21年度は全従業員の年次有給休暇日数の取得実績が付与日数の77％を達成している。
　主に自動車や農業建機の部品（ワイヤハーネス）の製造・設計などを手がけ、従業員の約6割が女性で子育て世代が多い。仕事と家庭の両立支援を進める職場づくりの一つが「こども参観日」の実施。従業員の子どもを職場に招待し、父親や母親が働く姿に接してもらい、ものづくりも体験してもらう。家族や同僚の理解が進む上、「やりがいや士気向上にもつながる」「子どもとコミュニケーションが図れた」と従業員からも好評だ。
　そのほかにもより活用しやすい多様な有休取得の取り組みをそろえる。有休を計画的に取得できるよう有給休暇取得奨励日を設定したほか、消化できなかった年次有給休暇を最大年5日、通常の年次有給休暇とは別に長期の療養や介護・看護などのため次年度以降に積み立て、最大で8年分40日まで活用できる「バックアップホリデー」を導入。従業員の提案による職場づくりも大切にしており、従業員でつくる「健康委員会」からの要望で、2022年10月から2時間単位で有休取得できる取り組みも始めた。
　深谷社長は「基本はやはり人で、従業員の心身の健康があってこそ会社は成り立つ。多様性を重視し、誰もが共に働きやすい職場を作っていきたい」と話し、従業員が働き続けたいと思える会社づくりに取り組んでいる。

（令和５年１月現在）