社会福祉法人青谷福祉会
(鳥取市青谷町)
前向きな気持ちへ変化
4年前、階層別研修と外部の専門家による面談を組み合わせ、職員の主体的なキャリア形成を支援する「セルフ・キャリアドック制度」を取り入れた。職員への調査で明らかになった「上司との意思疎通がうまくいかない」などの職場の課題を解消するだけでなく、職員一人一人が職業生活の節目で自分自身のキャリアについて考える機会を提供するためでもあった。
高齢者福祉施設や児童養護施設を運営する同法人。人材不足、離職率が高いといわれる業界にあって、仕事へのモチベーションの向上、人材の定着、組織の活性化につなげたいと考えた。
管理職、主任級、副主任級、一般職に分かれて行う研修は、グループワークを中心に上司や部下との関わり方、意思疎通の仕方も学ぶ。管理職の清水由理さんは「研修やキャリアコンサルティングは部下を知るための日頃の関わり方や面談の仕方など、管理職としての学びの場になっている」と指摘する。
同制度の導入によってこれまで進めてきた業務の改善・効率化や休暇がとりやすい環境整備は、その必要性への理解が深まり、職場全体に浸透してきている。
「特に主任級の意識が変わった。押し付けるのではなく、職場のルールを伝えた上で部下が何を言おうとしているかしっかりと聴こうという姿勢が見受けられる」と分析する上田洋子事務局長。「育休にしても、働いていく上で制度を活用するのはお互いさま、という空気が自然に生まれ、家庭と両立できる働きやすい職場は自分たちで作っていこうと前向きな気持ちへ変化してきたのを感じる」と話した。
(令和2年11月時点)