医療法人社団FOL
とみます外科プライマリーケアクリニック
(米子市・廣田裕理事長) 従業員数24人
困ったときはお互いさま精神
法の基準を上回る育児短期間勤務制度の導入や、出産時の付き添いの奨励、気軽に相談できる窓口の設置など、職員の仕事と家庭の両立を支援し、働きやすい職場づくりをしている。
廣田裕理事長は「子育てを夫婦で行うのは自然な姿であり、それを実現させる努力は当たり前。子育ても人生の楽しみの一つです」と話す。支援策は、助産師でもある廣田充代理事の意見を取り入れた。
勤務表は家庭の事情に合わせて前月に各自で作る。希望が重なれば、部署内の話し合いで調整する。充代さんは「譲り合いで生まれる“困ったときは、お互いさま”の気持ちが大事」と強調する。
出産時には、陣痛発症当日と出産日の2日間、特別有給休暇を使って付き添うことを勧めている。誕生の瞬間の感動を夫婦一緒に味わってほしいからだ。経験者で介護士の岩本成裕さんは「子どもの誕生を一緒に喜び合え、妻に感謝された」と話し、作業療法士の石笠拓郎さんは「入社7年目だったが、快く休ませてもらった。皆さんの心遣いがうれしかった」と振り返った。
定時より1時間早く帰ることができる時短勤務制度を利用した看護師の稲田泉さんと、理学療法士の成瀬真子さん。「保育園や学童保育の迎えができた」「子どもとの時間が取れた」と、心のゆとりが生まれたと感謝した。
全職員に浸透する「困ったときは、お互いさま」の精神が、安心して働ける環境づくりを支えている。