個人の住宅や商業施設の建築、不動産開発などを手掛ける。鳥取の人が快適に暮らせるサポートをしてきた同社にとって「社員が働きやすい環境を整えていくことは自然なこと」と山田時好社長。
　中でも育児や介護と仕事の両立を支援する仕組み作りに注力する。近年、新卒を毎年採用し、子育て世代の社員が増加した。同時に、親世代や配偶者が介護の必要な状況になる社員の対応も考慮し、在宅勤務制度を導入。さらに現場や営業先への直行・直帰を認め、携帯電話での打刻が可能な勤怠システムも取り入れた。インターネットの会議システムも各部署で運用している。
　図らずも、これらはコロナ禍でも大いに役立った。小学生の子どもが２人いる総務担当の宮谷由佳さんも利便性を実感した一人。休校中はもちろん、学校再開後も学年ごとの時差登校が続き、「在宅で仕事を進められる仕組みに助けられた」と振り返る。
　育児休業や介護休業などで一定期間、会社を離れる際の社員の不安感を和らげるため、「復帰プラン」を作成している。
　社員から出産や介護の必要な事情の報告があった時点で担当課が面談し、社内の利用できる制度を細かく説明する。休業１カ月前にも再度面談し、業務引継ぎや連絡の取り方などを確認。休業中も会社の情報を定期的に伝える。復職を待つ会社の思いを伝え、孤立しないよう配慮することで、社員からは「戻りやすかった」と好評だ。
　山田社長は「わが社でキャリアを積み続けてもらうためにも、笑顔で働ける職場づくりを今後も目指したい」と考えている。

（令和3年1月時点）