電気設備工事業主体のエナテクスは男性社員が多くを占めるが、育児や介護、自身の療養など個々の事情をくみ、誰もが働きやすい環境を当たり前のように取り入れてきた。
　２０１６年１月のイクボス・ファミボス宣言後はさらに取り組みが浸透。宣言前は年次有給休暇取得率５０～６０％台だったのが、２０１７年度８９％、１８年度９３％と大きく向上したほか、家庭状況で本人が希望する勤務形態を柔軟に取り入れて週２日程度の在宅勤務を試験導入したり、ワークライフバランスなどについて考える研修を年３回程度実施するなどしている。
　工事部保守管理課の西村俊已さん、工事管理部工事管理課の清水和彦さんはいずれも勤続２５年以上。家族の看護や通院、子どもの行事などで有休取得をしてきた。「家族が病気になった際、社長にも相談して『仕事は気にしなくていいから』と言われたことで、休みを取りやすかった。社内で理解してもらえる環境があるのが良かった」と西村さん。清水さんは「３０分単位で有休取得できるので利用しやすい。社内環境と人間関係で長く勤めることができた」と話し、先輩が率先することで後輩にも取り組みが浸透しているという。
　同社では助け合う環境が当たり前にあるといい、福井利明社長は「仕事も大事だが、まず第一は家族、家庭が大切。社員が働いて良かったと思える会社にしていくことが使命だと思っている」と話している。

（令和元年11月時点）