年次有給休暇の取得７０％（１４日）以上－。成瀬悟工場長がイクボス宣言の中で約束した項目の一つ「長時間労働を抑制し、有休が取りやすい職場風土をつくる」ための数値目標だ。本年度は社員全員の７０％取得を目指し、６割の社員が達成した昨年度よりさらに高い目標を掲げる。
　電池の製造を手掛けるＦＤＫ鳥取工場（本社・東京都）。生活と仕事の調和を図りながら効率的に働くことができるよう、総務・管理など間接部門にフレックスタイム制度を導入し、１３０人が活用。一方、２４時間稼働の製造部門には１時間単位での有休取得を認めている。
　有休取得推進のため、月ごとに全員の休暇予定を公開している部署も。野沢操総務部長は「１人では休みにくい。部署全員の休暇予定を見える化することで、忙しくて休めない人の仕事をシェアする雰囲気も生まれる」と評価する。
　また、ワーク・ライフ・バランス実践のため、製造部門で「４勤２休」から「３勤３休」の勤務体制に移行を進め、勤務時間を調整するとともに、休日を増やしてまとまった休みが取れるようにした。工場長を座長に、各班のリーダーが集う意見交換でも３勤３休の推進要望があった。社員からは「しっかり休むことができ、体力的にも楽。仕事への集中力が高まるし、プライベートの充実にもつながる」と好評だ。
　成瀬工場長は「家族との時間を大切にしたり、自らを高めるなど仕事以外の時間を有意義に使ってほしいと思っている。全社員の有休取得７０％以上は、働きがいのある職場にしていくために達成しなければならない目標だ」と意気込む。

（令和4年1月現在）