社会医療法人 明和会医療福祉センター
(鳥取市・渡辺憲理事長) 従業員数682人)
正社員のまま週休3日で働く
約700人の職員のうち、7割を女性が占める。安心して働き続けられる制度設計を20年前から始め、続け、更新し続けてきた。
骨格は看護師、介護士ら職員に導入している「7段階の勤務ステップ」。育児や介護など職員が直面する実生活の局面に応じて「平日勤務のみ」「夜勤の回数や曜日に制限あり」など7段階から勤務形態を選べる。原則年1回の選択だが、突発的な事情に応じた年度途中での変更も柔軟に受け入れる。
一方、勤務制限なく夜勤や休日出勤を数多く担当する職員は賞与に反映される制度も併せて整備した。やりがいとお互いの権利を調整するシステムは、職員が誇りを持ち、公平感を持って働くことにつながっている。
また正職員の身分のまま、週休3日で働く「短時間正職員制度」も職員を支える。1日の勤務時間を短くして早退するより、週当たりの勤務日数を減らす方が、家庭の事情に対応しやすいとの声に応えた。
「例えば介護。働きながら介護できる仕組みはニーズが高い」と法人本部の竹中君夫人事主幹。育児より期間の見通しが立たない介護は介護休業を使い切る可能性もある。収入が確保できることも心強いはずだ。週休3日の緩やかな勤務の継続は役職者も適用しており、イクボス・ファミボスを実践している。
現在は育休からの復職前に、希望の時間分だけ働いて勤務に慣れる仕組みを試行中。竹中人事主幹は「組織の人員構成は時とともに変化する。働き方の骨格は固めても、改善できる仕組みを随時考え、拡充させたい」と話している。