週２日のノー残業デー実施や毎月１日以上の有給休暇取得を推進するなど、長時間労働しない職場風土の形成に力を入れる。デジタルサービスの力で生活様式や働き方に対応した新しい価値観を提案する会社だけに、生産性向上を意識した取り組みを率先する。
　年２０日付与される有休は１３日以上の取得を目指す。課ごとの有休カレンダーをアプリで作成し、計画的な取得を促進。昨年度は約４割が目標を達成した。４年前から時間単位での有休が取得可能になり、子どもの学校行事や通院などにも利用する人が多いという。
　ノー残業デーを含め毎日終業時刻が近付くと、社員一人一人のパソコン画面に定時退社を促すメッセージを表示。帰りやすい雰囲気の醸成に努めている。
　育児休業は子どもが２歳（法定１歳）になるまで、介護休業は家族一人につき通算２年（同９３日）まで取得でき、当事者との面談機会などを設け上司が積極的に取得を働き掛けている。
　２６年前に支社（前身の鳥取リコー時代）初の育休を３カ月取得した事業管理グループの重森直子さんは「今は育休後に時短勤務する人も増え、柔軟に多様な働き方ができる。性別を問わず長時間労働しない意識が浸透してきた」と実感する。
　「仕事の成果を上げるためにはワーク・ライフバランスを保つことも大事」と語る鳥取Ｓ＆Ｓ部の中谷登部長。「組織的にはイクボス・ファミボスに加え、支社で約２割を占める女性の活躍を後押しすることも重要だ」と話した。

（令和3年2月時点）